地域団体「せとんまち」と地域住民が現在、7月26日に開館する「みんなの図書館」(壱岐市芦辺町瀬戸浦)の整備を進めている。
「せとんまち」は2025年4月に発足。地元事業者を中心としたコアメンバー6人で始動し、現在は大工や工務店、美容師、飲食業など多数の地域住民らの協力を得ながら活動している。「みんなで作るまちの図書館」プロジェクトは瀬戸地域まちづくり協議会と連携して進め、費用面などの支援を受ける。
図書館は15年以上空き家となっていた「木下衣料」跡を活用する。家主の協力を得て借り受け、自由に改修できるようになった。プロジェクトリーダーの前田翔吾さんは同地区出身。オープン後は図書館長を務める予定だ。前田さんは「子どもの頃は、ここへ来れば地域の情報が分かり、約束をしていなくても誰かがいる場所だった」と振り返る。
図書館を計画した背景には、子どもたちが安心して過ごせる居場所をつくりたいという思いがある。かつては商店や駄菓子店が並び、子どもたちが集う場所があったが、現在は子どもだけで気軽に立ち寄れる場所が少なく、雨の日でも過ごせる場所は限られているという。前田さんは、この図書館をかつてのように多世代が自然と「顔知り」になれる、地域の新たな拠点にすることを目指している。
6月14日には、SNSで作業を呼びかけ、住民らが棚や壁のペンキ塗りや椅子の製作に取り組み、子どもを含む約10人が参加した。28日の作業では、事前の周知はしていなかったものの、様子を見た子どもや近隣住民が次々と立ち寄り、作業を手伝う姿も見られた。館内には寄付で集まった絵本や児童書を中心に500冊以上をそろえる予定。トイレやエアコンも地元事業者から寄付を受けるなど、地域ぐるみで準備が進んでいる。
オープン後は、まず毎月第3日曜日に開館する予定。今後はワークショップの開催や、スペースの貸し出しによる駄菓子屋やカフェの営業なども視野に入れ、多世代が気軽に集える場づくりを目指す。
前田さんは「子どもから大人までが気軽に立ち寄り、ここからまた新しい地域のつながりが生まれる場所に再生できれば」と意気込む。