地域団体「せとんまち」が運営する「みんなの図書館」(壱岐市芦辺町瀬戸浦)の開所式が8月2日、同館で開かれた。
同館は、長年空き家となっていた「木下衣料」跡を活用したもの。地域住民から寄付された500冊以上の本や絵本、漫画をそろえるほか、地域事業者からエアコンやトイレ設備の寄贈を受けて整備を進めてきた。
開所式には、瀬戸地域まちづくり協議会や「せとんまち」のメンバーをはじめ、壱岐市の中上良二副市長や長崎県壱岐振興局の宮本浩次郎局長ら約40人が出席。テープカットの代わりに、同館のシンボルベンチのねじ締めを行い、開所を祝った。
瀬戸地域まちづくり協議会の前田哲男会長は「町のために動いてくれる若いグループを応援していきたい。現状での開所だが、これから瀬戸浦の拠点として少しずつみんなと作り上げていきたい」と話した。
「みんなの図書館」館長の前田翔吾さんは、整備に協力し、応援してくれた地域住民・関係者らに感謝を述べ、「会話が生まれ、新しい交流が生まれる場所へ。世代を超えて交流できる場にしたい」と意気込みを見せた。
前田さんは、「令和8年熊本地震」にも触れ、自身が10年前に熊本で被災した経験を振り返った。自宅アパートが半壊し、勤務先も全壊する中で仲間と支援活動を行った経験から、「地域防災の根幹は『助けて』と声を上げられる距離、つながりだと実感した。みんなの図書館が、人と人をつなぎ、『大丈夫?』と声をかけ合える地域の場所、きっかけとなれば」と話した。
木下衣料の建物を管理してきた木下満子さんは「長年空き家だった場所が、再びみんなが集う場になるとは夢にも思わなかった。亡き義母も喜んでいることと思う」と涙ながらに語った。
シンボルベンチのねじ締めに参加した壱岐市立瀬戸小学校4年の長島慶志郎君は「近所にこのような場ができてうれしい。漫画が読みたい」と話していた。
開所式後には、同じく瀬戸地区のボランティアグループ「せととんび」がカレーを振る舞った。
今後は、見守りチームのボランティアも募集するほか、館内の壁には瀬戸地区在住の画家・コガワ健太さんが壁画を描く予定。制作途中の様子も見ることができ、訪れる度に変化を楽しめる場所になるという。
開館日は毎月第3日曜日。次回は8月16日の10時~16時。