国内では対馬の一部地域のみで見つかっている希少なトンボ「チョウセングンバイトンボ」が、対馬野生生物保護センター(対馬市上県町)の調査で今年も確認された。7月から8月にかけて発生のピークを迎えている。
環境省によると、チョウセングンバイトンボは全長約3センチ。モノサシトンボ科の一種で、朝鮮半島や中国などに分布している。日本国内では2021年、対馬で初めて確認された。雄の中脚と後脚が白く平たいのが特徴で、飛ぶと大きく広がり「軍配」のような形になる。
対馬野生生物保護センターは、2025年度に予備調査を実施。本年度から、成虫が発生すると思われる5月~9月ごろの予定で本格調査に乗り出した。同センターの職員が生息地に出かけ、飛行している成虫を目視でカウント。7月31日までに、1日で最大29匹を確認した。
同センター上席自然保護官の皆藤琢磨さんは「来年は見られなくなってもおかしくない。今年も生息を確認できて安堵(あんど)している。対馬にはツシマヤマネコだけではなく、さまざまな希少な生き物が生息している。見つけた際は採集せず、写真撮影のみにとどめて対馬の自然を大切にしてほしい」と話す。
環境省は2022年5月、愛好家による採集や標本の販売を目的とした捕獲を規制するため、チョウセングンバイトンボを種の保存法に基づく「緊急指定種」に指定。2025年1月には、絶滅の恐れがある野生動植物種として「国内希少野生動植物種」に指定した。
譲渡・捕獲・輸出入した場合、個人では5年以下の懲役または500万円以下の罰金、法人では1億円以下の罰金を科している。