対馬藩の旧城下町にあるお地蔵様を子どもたちが巡る地域の伝統行事「地蔵盆」が7月24日、対馬市の厳原町市街地で行われる。
厳原町の住民が毎年同日に実施。地蔵菩薩(お地蔵様)が子どもの守護仏であることから、子どもの成長と安全を願って開かれる。夕方になると地域の子どもたちが集まり、路地や個人宅約20~30カ所のお地蔵様を歩いて巡る。お賽銭を供えて手を合わせ、大人から地蔵菩薩のお札とお菓子を受け取る仕組みで、子どもたちの夏の楽しみの一つになっている。
地蔵盆を前に、お地蔵様を祭る家や地域住民は、お地蔵様をきれいに洗って白粉を施したり、よだれかけを新調したり、ササや色紙、ちょうちんを飾り付けたりして準備を進める。
対馬博物館によると、地蔵盆が始まった詳しい経緯は不明だが、対馬の郷土史をまとめた「新対馬島誌」の中で、1964(昭和39)年には子どもの年中行事として紹介されているという。学芸員の川辺由美子さんは「関西にも同じような行事がある。対馬には関西由来の地名もあり、関西との交流の中で祭りも伝わったのでは」と解説する。
自身も子どもの頃に参加していたという川辺さんは「近所の人たちがごちそうを準備してくれて、この日だけは少し遅くまで外に出て良い特別な日だった。今も子どもたちは楽しみにしている。観光客の皆さんもぜひ訪れてもらえれば」と話す。