対馬にある縄文遺跡「越高(こしたか)遺跡」(対馬市上県町)が朝鮮半島や日本本土と活発に交流していたことを示す特別展「縄文時代の対馬社会」が10月3日~12月6日、対馬博物館(対馬市厳原町)で開かれる。
対馬博物館が主催。越高遺跡が昨年3月に国から史跡指定を受けたことを記念して開催する。対馬の国史跡指定は7件目。
特別展では、朝鮮半島由来の隆起文土器など同遺跡から出土した遺物や、島内の佐賀貝塚と志多留貝塚、ヌカシ遺跡から出土した遺物149点と、研究結果をまとめたパネルなどを展示する。
越高遺跡は、縄文時代早期末から前期の集落遺跡。同時代の九州と朝鮮半島との交流を示す遺跡として、昨年3月10日に国から史跡指定を受けた。
長崎県によると、同遺跡からは、板石を約1.1メートル四方に組み合わせた炉跡が見つかった。規格性の高い方形炉は朝鮮半島の遺跡で認められるもので、日本列島では例がない。
同博物館の尾上博一副館長は「出土した隆起文土器は朝鮮半島で使われていた土器で、対馬の土を使って製作したものも含まれていることが分かった。朝鮮半島から移り住んで対馬に定住した人々が、縄文文化と交流しつつ生活していたことが分かる」と話す。
一方、佐賀県伊万里市の黒曜石を利用した打製石鏃(せきぞく)や、同多久市原産のサヌカイトを利用した削器(さっき)類も出土していることから、対馬と日本本土の交流も伺える。
尾上副館長は「越高遺跡の発掘調査を始めた50年前は、縄文時代の対馬社会の様子が分からなかったが、従来の『狩猟と採集』という縄文社会ではなく、各地と活発に交流し、経済活動をしていた対馬の縄文人の姿が明らかになってきた。島内にとどまらず、他の地域と積極的に関わる開かれた社会の実態に触れてほしい」と来場を呼びかける。
開館時間は9時30分~17時。木曜休館。観覧料は、一般500円、大学・高校生300円、中学生以下200円(市民は110円減額)。